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    2018年03月



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    日本人女性の過半数がDカップ以上…巨乳の悩みを解消するアパレルブランドが大人気 | ニコニコニュース



     大きなバストのことを、俗に「巨乳」という。男性には巨乳好きが多く、女性にも巨乳に憧れる人がいる。しかし、大きなバストを持つ本人は、意外といっては失礼だが、巨乳に悩んでいる場合が多いのだ。

     世界初となる、胸の大きな女性のためのファッションブランド「HEART CLOSET」の代表を務める黒澤美寿希さんも、そのひとりだ。黒澤さんはIカップのバストの持ち主で、胸が大きいことに対して長年悩みを抱えてきたという。

     黒澤さんに、当事者以外にはなかなか理解できない「胸が大きい女性」の悩みやブランド立ち上げの経緯について話を聞いた。

    ●男性からも女性からも理解されない、巨乳の悩み

    ――いきなり失礼なことをお聞きしますが、「胸が大きい悩み」というのは、具体的にどんなことでしょうか?

    黒澤美寿希氏(以下、黒澤) たくさんあります。たとえば、「胸が大きい=セクシー」と思われるらしく、男性から「胸が大きいからモテるでしょ?」と面と向かって言われたり、女友達に胸が大きい悩みを相談しても「自慢?」「ぜいたくなこと言いすぎ!」と怒られたり。「ただ太っているだけじゃん」と陰口を叩かれたこともありました。

    ――確かに、胸が大きいとモテそうなイメージはありますね。

    黒澤 でも、それって体を見ているだけで、私の内面を評価してくれているわけではないですよね?「胸が大きい」という理由だけでモテても、当人は全然うれしくないし、やっぱり傷つきますよ。

    ――とはいえ、一般的に「胸が大きい=良いこと」というポジティブなイメージもあります。

    黒澤 だからこそ、当事者以外には理解されにくいんですが、周囲が持つイメージと本人を取り巻く状況にはすごくギャップがあります。そのため、ひとりで悩みを抱えてしまいがちですし、胸が大きいことにコンプレックスを持ってしまう女性もいるんです。

    ――つまり、「周囲が胸の大きい女性の気持ちを理解できていない」と。セクハラにも通じる問題ですね。

    黒澤 胸の大きな女性は、「見せている」のではなくて「見えてしまっている」ことが多いんです。そこには大きな違いがある。その点を理解してもらえればうれしいですね。仮にそれが純粋な好意による視線だとしても、見られた本人が嫌な気持ちになるならNGですよね? これはセクハラ問題と同じで、胸の大小は関係ないと思います。女性と仲良くしたければ、見ちゃダメです!

    ――男性には耳が痛い言葉ですね。勉強になります。

    ●胸が大きすぎてワイシャツのボタンがはじけ飛ぶ

    ――世界初の「胸の大きな女性」のためのファッションブランドというアイデアも、ご自身の悩みがきっかけになっているんですか?

    黒澤 胸が大きい女性のもうひとつの悩みは、ファッションです。私自身、バストサイズがIカップなので、ファッションにはとても悩んでいました。

    ――どういう部分で、ファッションに困ったのでしょうか?

    黒澤 たとえば、普通の服を着るだけでバストが目立ってしまうこと。マンガに出てくるような話ですが、ワイシャツのボタンがはじけ飛ぶなんて日常茶飯事(笑)。だからといって、3LやLLサイズを着れば、肩や腕はブカブカになってしまいます。つまり、胸が大きい女性の体にフィットする服って、この世に存在しなかったんですよ。

    ――なるほど。それは当事者以外は気がつかないことですね。

    黒澤 特に社会人になってからは、悩みが深刻になりました。以前は会社員として働いていたのですが、普通の服を着ているだけで「オフィスで露出するなんて」と言われ、仕事で成果を上げても「女を使って仕事を取ってきた」と陰口を叩かれたこともあったのです。

    ――ひどい話です。悩むのも当然ですね。

    黒澤 その会社は私服勤務で、服装については厳しくなかったものの、仕事にオーバーサイズの服を着て行くわけにはいきませんよね? 男性ならダボダボのスーツを着て取引先との打ち合わせに行くようなもので、あり得ません。それで、20代後半の頃に「TPOに合わせたファッションをして、きちんと見られたい」という思いが強くなってきたんです。

    ――もともと、ファッションが好きだったんですか?

    黒澤 むしろ、ファッションにはあまり興味がありませんでした。いつも胸元を気にして服を選ばなければならず、昔からファッションを楽しめなかったので、いい思い出が全然なかったのです。でも、「胸が大きいことに悩んでいる当事者だからこそ、私がつくればいいんだ」って思って。

    ――自身のコンプレックスが起業のきっかけとはいえ、まったく未経験の業界です。不安はありませんでしたか?

    黒澤 ブラジャーはアンダーサイズとカップ数の組み合わせにより、約70種類くらいのサイズ展開があります。その一方、アパレル業界ではBカップのバストサイズを想定したトルソー(型)で画一的に服をつくっている。もともと、この構造に違和感がありました。大手ブランドが決まったサイズの服しかつくらないのなら、中小にしかできないニッチな市場もあるはず……。そこに需要が必ずあることは、ほかでもない私自身がよく知っています。

    ●日本人女性の4人に1人がEカップ以上

    ――異業種への転向、しかも世界初となるファッションブランドです。苦労も多かったのではないでしょうか?

    黒澤 今でも苦労することは多いです。たとえば、通常のデータならメールのやり取りで済みますが、アパレルでは生地のサンプルを遠くから送っていただいたりショールームに行って選んだりする必要があります。リアルなモノの動きに手間や時間がかかるのは大変だし、まだまだ慣れないですね。

    ――「胸の大きい女性のため」のアイデアはどこから出てくるんですか?

    黒澤 Eカップ以上のバストサイズの女性たちに集まってもらい、グループインタビューや座談会を行いました。そこで出てきた「フォーマルな場に着ていける服がない」「シルエットが太って見えてしまう」といったリアルな悩みを、ブランドのコンセプトや商品づくりに反映させています。

    ――「HEART CLOSET」の商品がほかのブランドと違う点は?

    黒澤 一番はサイズですね。提供しているすべてのアイテムにバストサイズの概念を取り入れ、「アンダー65のDカップならSサイズ」と、胸の大きさから洋服を選んでいただけるようにしています。胸元には立体裁断を用いて、窮屈になってしまうバストラインをスッキリと見せています。

     また、細かい部分では、ブラウスなら胸のボリュームで上がってしまいがちな前丈を少し長めに取り、胸元に隠しボタンをつけてボタンの隙間から下着が見えないようにし、ワンピースなら太って見えてしまいがちなシルエットを改善するために、ウエストラインを調整するアジャスターをつけたりしました。

    ――購入した女性たちからの反響はいかがですか?

    黒澤 コンセプトに共感してくださるお客様が多かったですね。「今までずっと困っていた」「なんでこういう商品がなかったんだろう」という意見をいただいています。

    ――これまではECサイトがメインでしたが、2017年9~10月には初のリアル店舗となる期間限定ショップを西武池袋本店に出店しました。

    黒澤 ありがたいことに、沖縄や新潟からわざわざ買いに来てくれるお客様もいました。「胸が大きいことによる悩みを抱えながら、これまで声を上げられなかった女性が、いかに多いのか」ということを実感しました。

    ――胸の大きい女性たちに「HEART CLOSET」の存在が届きつつあるわけですね。

    黒澤 いや、まだまだですよ! 16年に下着メーカーのトリンプさんが行った調査によれば、現代の日本人女性の過半数がDカップ以上のバストサイズで、さらに4人に1人がEカップ以上です。困っている女性は、もっと大勢いるはずなんです。だからこそ、私たちが考える「胸のサイズから服を選ぶ」というファッションのあり方をスタンダードなものにしたいと思っていますし、しなきゃいけないと思っています。

    ――それによって、胸の大きい女性に対する見方も変わるかもしれません。

    黒澤 私たちには、「胸の大きな女性たちにポジティブになってもらう」という使命があります。男性にも、「胸の大きな女性たちは、実はこういう悩みやコンプレックスを持っている」「傷ついている」と知ってもらい、理解してもらえば、コンプレックスや悩みを抱く女性たちも生きやすくなるはずです。

    ――同じ女性として応援します。

    黒澤 自分の体を否定するのではなく、愛せるように。これからも、その手助けをしていきたいと思っています。胸が大きいことは、“女性らしい”という素敵な部分を持って生まれたということなんですから。
    (構成=森江利子/清談社)

    「HEART CLOSET」代表の黒澤美寿希さん


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    (出典 xn--eckai1exkw68xv8f.com)



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